- Good Quality -
自身のワインで何度もパーカー100点を獲得し、アルト・モンカヨやエル・ニドなど、ハイクオリティなモダンスペインワインを数多く手がける醸造家が「クリス・リングランド」。オーストラリアのバロッサで造られるこの「CRシラーズ」が、現状では唯一正規ルートで日本に輸入されている彼のワインとなります。
完熟した果実味をベースに、オレンジを感じる陽的なシトラスのニュアンスと酸が広がり、適度に落ち着いた酒質と丸く口当たりの良い滑らかさが良好な世界観を紡ぎだしています。クリス・リングランドらしい良質な手綱捌きが感じられ、熟度の高さを感じさせながらも決して重くはならない、バランス感覚に優れたいたって現代的な仕上がりとなっています(多くの人に訴求する素直な世界観)。
現時点で5年が経過していますが、想像よりも少しだけ熟成が進んでいる印象があり、15%と言う高いアルコール由来の力強さや迫力がほぼ感じられず(なのでスルスル飲める)、ヨードや漢方などの熟れたスパイス風味がより印象的でもあります。高得点を連発するような圧倒的な世界観ではなく、現実的な水準にあるパッケージング重視の世界観なので(あくまでもスタンダードクラスな世界観)、現在の価格帯はやや割高な印象を受けますが、それでも日本市場ではほぼ選択肢がないので、まずはクリス・リングランドの世界観を体感すると言う目的に絞っておけば、十分満足出来る結果が得られると思います。
(2018/06)