- Good Quality -
スキンコンタクト系としては穏やかな色調で、コッリオの主要生産者のような際立つ個性のワインとは対極にあります。全身に渡ってカルソという土地とヴィトフスカという品種の特徴がストレートかつ綺麗に打ち出されていることもあり、クリーンで明確な素性が素直に飲み手に伝わってきます。純粋な果実味やボリューム感は控えめで、スッキリとした飲みやすさや、食事とともに自然に楽しめるニュートラルな立ち位置が印象的ですが、それでもカルソらしいハッキリとした輪郭や、密度のあるコア、そしてしっかりとした酸によってバランスの良い良好な世界観が広がるので、総じて受ける印象はポジティブな傾向にあります。
飲みやすいスタイルではあるものの、まだ若いヴィンテージということもあってか、抜栓日は細身で端的な表情が主体で、ある種ミネラルウォーターのような脇役傾向の立ち位置にあります。しかし、翌日に持ち越しボトルの底の方になると、少しずつ濁りが出始める反面、充実したコアのエネルギーや酸などの要素が明確に増加し、時間とともに尻上がりで説得力と訴求力が増していきます。
テロワールと品種の特性が素直に出ていて、幅広い層に訴求するスタイルである点、そしてフリウリの他の生産者と比較すると相対的に価格帯が低めという点から、フリウリ未経験者への導入ワインとして、最初の一歩としての役割に最適な印象を受けます。
(2018/04)