- Good Quality -
少量生産を貫き、あくまでも品質とクリュの表現を重視し、農民としてのアイデンティティを堅持する造り手がマリオ・マレンゴ(現オーナーはマリオの息子マルコ)。
ヴェッツァ・ダルバにある南向きの畑から造られるのがこの「ヴィーニャ・ヴァルマッジョーレ」。年間生産本数は僅か3,000本となります。
同じマレンゴのドルチェット・ダルバと同じように、ボリュームのあるぽってりとしたボディが印象的ですが、現代的なスタイルで口当たりの良さと素直な飲みやすさを構築しているものの、やはりその本質は「これぞネッビオーロ」と言えるものがあり、コアに内包するタンニンは多い傾向にあります。バランスよく果実味と酸が分布し、技術的な水準が以前よりもモダン化されている印象ではありますが、抜栓日の親しみやすい表情とは裏腹に、時間の経過とともに位相が変化し、徐々に本質的な要素が表層に出る傾向にあります。当初は丸みのあるボディによって厳格な要素が隠蔽されていますが、翌日に持ち越してボトルの下の方になってくると、口中の渇きを伴う収斂感のあるタンニンがより前面に打ち出され、思った以上のポテンシャル系要素が表出する傾向にあります。今から楽しめる要素と、将来的な発展要素の両方を兼ね備えているとも言えるので、価格的な側面を考えるとお薦めしやすいネッビオーロ・ダルバだと言えそうです(良質なバローロ像が微かに脳裏を過る)。
(2018/04)