- Good Quality -
大量消費のサンジョヴェーゼ・ワインが溢れていた時代に、「サンジョヴェーゼをフレンチ・バリックで熟成させる(現在は7.5~12hlの大樽も併用)」という時代の先の先を行く手法で多くの人を驚かせたのがこの「レ・ペルゴレ・トルテ」です。ペルゴレ・トルテは「歪んだ樹形」という意味を持つ畑の名前となっていますが(トスカーナの方言)、現在では反対斜面の「モンテヴェルティーネ」でとれる葡萄も使用されています。
数年前、リリース直後に試飲した時は、全体的に華奢で果実の乗りがやや弱めな印象を受けましたが、その後の数年の瓶熟により、全体を通して非常に良好な熟成と成長を遂げている印象を受けます(今回は当時と同一ロットを試飲)。ヴィンテージの影響もあってか、絶対的なエネルギー量やボリューム感はやや控えめですが、コアにはペルゴレ・トルテらしい凝縮感があり、長期樽熟成を行ったような仄かな酸化熟成風味にシュールマテュリテなど、適度に熟れた表情を持つ甘い果実の表情が伝わってきます。想像していたよりも少し熟成が進んでいる印象でもありますが、優しさとともに妖しさも出始めているので、このままさらに熟成させて5年、10年と経過すると、最終的には妖艶で魅惑的な姿を披露してくれそうです。
(2018/03)