- Very Good Quality -
ハンガリーの「トカイ」との兼ね合いもあり、「トカイ・フリウラーノ」の名称が使えなくなってしまいましたが、他の多くの生産者が「フリウラーノ」という名称を使用しているのに対し、ラディコンは「トカイ」のスペルを逆にした「ヤーコット」という名称を使用しています。
スキンコンタクトで造られる白ワインらしく、非常に濃い琥珀色なのが印象的で、古木らしい緻密で凝縮度の高い要素がアタックから存分に伝わり、内包する圧倒的なエネルギーが具に感じられます。瑞々しい表情を持ちつつも、輪郭はキッチリとしていて、体躯の中心に細く伸びるしっかりした酸とキリッとしたアルコール感(13.5%)が全体を程よく引き締めています。若干漬物汁系の風味は感じるものの、特にネガティブな印象はなく、むしろカツオや梅のような優しい旨味がじんわりと伝わってくるので、非常に魅力ある表情を生み出しています。全体像としては、余韻が長く続くようなタイプではなく(むしろスッと切れる)、どちらかというアタックが印象的なハイコントラスト系なので、出来ればモンラッシェ用のグラスのような大ぶりなタイプを用意し、しっかりと開かせてからそのポテンシャルを享受してもらいたいところです。
(2018/03)