- Good Quality -
トリエステ近郊のカルソを代表する偉大な生産者であり、奇才、カリスマとも称されるのが「エディ・カンテ」。そんなカンテのワインの中で、スタンダード・レンジの「クラシック・ライン」に位置するのがこの「ソーヴィニヨン」。
爽やかで優しいフレッシュハーブの風味と、クリアな硬質感と緻密なボディを有する表情が印象的で、カルソの土地の力を感じるような独特の塩味が明確に伝わってきます。特別ソーヴィニヨンらしい青みを感じるようなスタイルではなく、タイトに引き締まる硬質な表層と収斂感、これらの要素が比較的シンプルかつ軽妙にパッケージングされています。翌日に持ち越すと、所謂ソーヴィニヨン的な風味はほぼ消え去り、ミネラル系の要素がより強くなるとともに、果実の質感に琥珀的な佇まいが現れるようになります。
全体としての総エネルギー量はいたって現実的で、表層に現れる要素はむしろ控えめかつ軽快な傾向にありますが、内包するコアそのものの緻密さとクリーンさ、そして時間とともに明確になるポテンシャル系要素を考慮すると、思った以上の可能性を秘めていると言えるのかもしれません。とはいえ、塩味や収斂要素が明確なこともあり(後味にかけて口中や喉に多少引っかかる)、決して飲みやすく万人受けするようなスタイルではないので、その点に関しては一定の注意が必要です。
(2018/03)