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2011年ヴィンテージがデキャンター(Decanter World Wine Awards 2016)で96点を獲得し、プラチナ賞とベスト・アジアの栄光に輝いたことで、一躍世界的な評価を得るに至ったのがグレイスのエクストラ・ブリュット。セカンドのセレナが契約農家のシャルドネとブレンドされるのに対し、グレイスは自社畑となる三澤農場のシャルドネのみで造られています。今回のロットは2016年7月にデゴルジュマンされ、瓶内熟成期間は3年間、生産本数は2,963本となります。
約1年ぶりの試飲となる2012年のエクストラ・ブリュットですが、今回はデゴルジュ後に一定の熟成期間を与えたこともあり、以前よりも豊かさが感じられるようになった印象でもあります。基本的なスタイルはセカンドのセレナと同様で、ブラン・ド・ブランらしいスッキリとしたシャープな表情がベースとなっているものの、より泡が溶け込みクリーミーで、ボディの充実感とエキス分の濃さが一段上といった内容に仕上がっています。
抜栓直後の印象だと、あくまでもセレナの同一線上にある世界観に収まっていますが、時間とともに豊かさやコア内部に込められた複雑さがより明確になる傾向にあり、抜栓翌日になるとその良質な表情にさらなる磨きがかかります。フレッシュで綺麗な表情を素直に楽しむことができる一方、その実、当初想像していたよりも高いポテンシャルを有しているような雰囲気でもあるので、デゴルジュ後の熟成期間をさらに長くとってから飲んでも面白そうな印象です。
(2016/12、2018/01)