- Very Good Quality -
ビオディナミにこだわり、美しい景色が広がるエウガネイ丘陵のテロワールを具現化するのが、1995年にカ・オロロジオのオーナーとなったマリア・ジョイア・ロゼリーニ。唯一の白となる2016年のサラローラは、モスカート85%、フリウラーノ10%、リースリング5%のブレンドで造られています。
香りはまさにマスカット。甘みを感じる親しみやすさが伝わりますが、実際の内容は180度逆で、驚くほどの強靭な表情が主体となっています。発酵前に48時間のスキンコンタクトが実施されていることもあってか、濃厚濃密なエキス分を有し、どことなくフリウリの土着系ワインのような個性あるニュアンスが仄かに感じられます。表情はクリアで、サラリとした綺麗な質感と軽やかな佇まいを持つ世界観ではありますが、コアの濃密さと、アフターにかけて広がるヒリヒリとする強いアルコールの辛味の対比が非常に印象的で、気軽に飲める一般的なモスカートのイメージを覆す、圧倒的なポテンシャル系ワインとなっています。
アルコール表記は14%ですが、実際に受ける印象は数値以上で、翌日に持ち越すことでなだらかに表情が優しくなるものの、この強靭さと辛味を考慮すると、あまり一般層向けではないような印象を受けます(逆に強いアルコールが好みの人には最適)。ポテンシャル系要素が強いものの、熟成が必要なスタイルではなく、全体的なバランスの観点からしても、どちらかと言うと早く飲む方がベターかもしれません。
(2017/11)