- Good Quality -
骨格はやや軋みを伴う細めの柱で構成されているものの、柔らかめでボリュームを感じる黒系果実の土台を持ち、一定の求心力と魅力を持つパカレらしい旨味も健在で、その表情には良好な指向性が垣間見えます。ただし、他のパカレと同様に、どこか古ぼけたような、退廃的な表情と纏った酸も同時に感じられるので、今後年月を経ることでバランスが崩れて退廃感がより強くなる懸念があります。少なくとも現在のところは、同年のニュイ・サン・ジョルジュよりもしっかりと果実味が残っていて、なおかつポマールに近いどっしりとした果実味ということもあり、受ける印象ははるかにポジティブです。
一定水準をクリアした良質さは感じられるものの、この価格帯のクラスに期待するような、格上の豊かさやリッチさ、はたまた高いポテンシャルといった要素はあまり感じられないので、総合的には、あくまでも価格を気にしない一部の富裕層向けといった印象でもあります(もう少し早く飲めばまた印象は違ったかも?)。
(2017/11)