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ジーニが所有する2つの偉大なクリュのうちのひとつが「サルヴァレンツァ」(もうひとつはラ・フロスカ)。ピエロパンの「ラ・ロッカ」の隣の丘に位置し、黒色火山岩土壌の畑に樹齢100年以上の葡萄(ガルガネガ)が植えられています。フィロキセラの影響を受けていないということもあり、葡萄は接ぎ木されていない「自根」となっています。
葡萄そのものの良質さと造り手の良好な手腕のバランスが見事で、すぐ飲んで楽しめる要素とポテンシャル系の要素をうまく折衷した世界観が構築されています。総じて全体的なパッケージングが見事で、ソアーヴェらしいさらりとした流麗感を維持しつつも、程よくオイリーな質感が加味され、さらに程よいミネラルと苦味、そして程よい快活さも感じられます。その親近感とは裏腹に、内部に込められたエネルギーは膨大で、その凝縮感は一般的なソアーヴェの領域をはるかに超える水準にあります。また、例年よりも葡萄の熟度が印象的でもあり、桃(ネクター)を仄かに感じる果実感など、ポテンシャルを感じさせつつも親しみやすい表情が維持されている点が、評価できるポイントとなっています。
(2017/11)