- Good Quality -
造り手の「ロベルト・ヴォエルツィオ」は、1985年創設となる新世代の醸造家でもあります。クオリティ重視の少量生産故に「超高価」&「入手困難」という傾向にありますが、世の評価は非常に高く、一度は飲んでみたい造り手だと言えます。
コアには淡麗ながらもキュッと詰まった果実の甘みが感じられますが、従来のヴォエルツィオらしい凝縮感は影を潜め、どちらかというと出汁のような旨味を感じる系譜にあるのが印象的です。ボディもやや小ぶりで、軋みを感じるようなタンニンは含有しているものの、むしろハイトーン系の酸の方が相対的に強く、全体としてのイメージとしても、凝縮した果実の甘みよりは流麗なたおやかさの方がより強調されている傾向にあります(使用するグラスによってかなり指向性が変わる)。これらは2012年というヴィンテージのスタイルかもしれませんが、以前のヴィンテージよりも全体的に熟成が進んでいる印象でもあり、エネルギー総量やポテンシャル的要素としてもやや控えめな印象を受けます。とはいえ、ヴォエルツィオらしい魅力は一定量感じることができるので、抜栓日重視で楽しめば十分満足できそうです。
(2017/10)