- Very Good Quality -
コント・アルマンの元醸造責任者でもある若手醸造家「バンジャマン・ルルー」が独自に立ち上げたマイクロネゴスで、2007年がファースト・ヴィンテージ(2014年6月にコント・アルマンから完全に独立)。30件にも及ぶ栽培農家と契約し、数多くのアペラシオンから多種多様なワインを造り出しています。
スクリューキャップが採用されていることもあり、早くから楽しめる溌剌としたフレッシュさが開栓直後から伝わってきます。屋台骨はやや華奢で軋みを伴い、あくまでもレジョナルワインらしい構成力ですが、やや異質なのが内包する果実量で、明らかに数段格上のレンジのボリュームを感じます。技術先行型のモダンスタイルではあるものの、このクラスのワインでここまで果実の質量を増加させたようなスタイルは過去にあまり例がなく、多少不思議な雰囲気が漂っています。それでも抜栓日の印象としては、あくまでもフレッシュかつ気軽に飲むスタイルで、表情が一気に変化するのは翌日に持ち越してからとなります。時間とともに各ピースの空間が一気に収束し、黒系果実の充足感あるボディが重心を低く抑え、華奢な骨格がしっかりと果実と一体化することで一般的なレジョナルを超える世界観が広がります。
抜栓日の印象と不思議なモダンスタイル故に、危うく過小評価しそうになりますが、2015年というヴィンテージの恩恵を受けた充実した内容なのは確かなので、個人的には20年以上熟成させても意外と面白そうな印象だったりもします(熟成させる意味があるかどうかはさておき)。
(2015/10)