- Good Quality -
ジュヴレ・シャンベルタン北部にある主要プルミエ・クリュ群の内、コンブ・ラヴォーと呼ばれる背斜谷に面し、村を代表する「クロ・サン・ジャック」に隣接するクリマから造られるのが、この「ラヴォー・サン・ジャック」となります。
2010年という優良ヴィンテージの恩恵をしっかり受けたような、甘みと旨みを伴う小気味好いキュートな果実味に、輪郭のはっきりとした外郭、程よい堅牢性を感じるタンニン、そして仄かな酢酸が感じられます。造りそのものは古典的とも言えるスタイルで、やや軽めの仕上がりに古風でこぢんまりとした雰囲気が漂いますが、内包する果実の魅力は思いの外現代的で、多くの人に伝わるような明快な魅力を放っています(伝統と現代の折衷的仕上がり感)。バランス的には、やや古ぼけた軽薄な酸が気になる傾向にはありますが、それでも果実の小気味よさがフォローしてくれるので、全体像としては概ねポジティブな印象を受けます。ジュヴレ・シャンベルタンらしい堅牢性も程よく感じられ、ヴィンテージの力も感じられる良好な仕上がりなので、今からでも素直に楽しめ、それでいてある程度の寿命も期待できる、いたって誠実な世界観だとも言えそうです。
(2017/10)