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赤紫系の溌剌としたフレッシュさは表層に感じられるものの、何よりボジョレーらしからぬ凝縮感とボディの豊かさが非常に印象的です。相応のタンニンも感じられ、モルゴンを彷彿とさせるようなパワフルさを兼ね備えていますが、メルローのような角の取れた豊満な資質が主体となっていることもあり、全体としてはとても飲みやすいスタイルに仕上がっています。
マルセル・ラピエールらしい旨味系のスタイルから、現代的な密度とエネルギーを重視したスタイルへと変貌を遂げていますが、2015年というヴィンテージの恩恵もあってか、全体的な仕上がり感はいたって良好です。自然な造りのワインに散見されるような醸造的な欠点も全く感じられず、果実のボリュームを素直に楽しめる世界観ではありますが、翌日に持ち越すとやや焦点がぼやける瞬間があったので、この辺りが改善されることを信じ、今後のヴィンテージにおける更なる進化に期待したいところでもあります。
(2017/09)