- Good Quality -
ケルナーはワイナリーから一望出来る南斜面の畑で栽培され、樹齢は16年。ドライという名の通り、鮮烈な酸を基調とした極辛口に仕上げられています。
色調は薄く、仄かにグリーンがかっているものの、無色透明に近い印象です。青リンゴや仄かなグレープフルーツ、そして極僅かですが消毒液のようなニュアンスが感じられます。オフフレーバーとはいえ、あくまでも集中して初めて感じられるレベルで、基本的には果実の充実したエネルギーとその溌剌とした表情のおかげで、仮に感じ取れたとしても特別ネガティブな印象は受けません(基本的に、時間が経てばほぼ感じられなくなる)。印象的なのはやはり「酸」。砥石を舐めているかのような口中の収斂感も加わり、硬質さと全体を支配する圧倒的な酸による超ドライな表情が、非常に印象深い世界観を構築しています。
酸主体なので飲み手を選ぶ内容ではありますが、内包する要素の充実さやボディのコアに感じる豊かさなどから、丁寧に造られた良質さは十二分に伝わってきます。注意点は使用するグラスで、ドイツ系品種とは言え、リースリンググラスで飲むと鋭さが端的に強調されてしまうので、基本的にはシャルドネグラスの使用をお勧めします。
(2017/09)