- Recommended -
シャブリを代表する偉大な生産者がこの「ヴァンサン・ドーヴィサ」。古典的と言われるものの、1998年にビオディナミを実施し、その効果を実感するや否や、2002年にはすべての畑でビオディナミに移行するなど、表面的な手法に捕らわれることなく、品質の向上を続けています。
ラ・フォレはスラン川左岸に位置していて、プルミエ・クリュとして名高い「モンマン」を名乗ることが出来ますが、ドーヴィサとしては本来の区画名をそのまま名乗っています(複数の場所に4.5haを所有)。今回の1本は軽く吹いた後があり、当初は若干のゴワツキや熱感が僅かに感じられましたが、元々のワインのポテンシャルの高さもあってか、抜栓後しばらくすると特に気にならない程に状態は回復しています(状態判断としては概ね問題ない範疇)。
ドーヴィサが手がけるもうひとつのプルミエ・クリュでもあるヴァイヨンと比較すると、酸、苦味、柑橘系の果実感、いずれをとっても各要素の表情は控えめですが、テクスチャの端正さ、堅牢性あるミネラル感、継ぎ目のない一体感ある体躯と落ち着いた表情が非常に好印象で、そのバランスの良さから最終的な訴求力は非常に高い傾向にあります。温度が上がるとしっかりとしたボリュームを感じますが、豊富なミネラルが全体をうまくまとめて引き締めているので、通常の温度帯であれば適切なキレを感じることができます。今回の印象からすると、仮に1本だけ選ぶとすれば、2012年についてはヴァイヨンよりもラ・フォレの方をよりお薦めしたいところではあります(基本的なクオリティは同水準)。
(2017/07)