- Recommended -
シャブリの老舗生産者「ヴォコレ」の息子エドワールが、エレーニと共に夫婦二人で運営する新しいドメーヌ。ヴォコレ家から古木の4区画(5ha)を受け継ぎ、有機栽培と天然酵母という自然な造りで2013年から少量のシャブリをリリースしています。
バ・ド・シャプロは、その名の通りプルミエ・クリュのクリマ「シャプロ(モンテ・ド・トネール)」の下部に位置し、グラン・クリュの丘にも近い、スラン川の右岸にある村名区画となります。シャブリらしいクッキリとしたミネラルや塩味は確かに感じられますが、それらの要素を包み込む優しく落ち着きのある資質が非常に印象的です。優しい樽の要素や酵母のニュアンス、そしてレモン系の酸が心地よく、抜栓当初はややシンプルで要素の主張も控えめですが、その薄さと淡さの奥に確かなエネルギーを持った核があり、時間とともにじわりと良質な表情が滲み出てきます。優しさとまろやかさ、そこに硬質要素がうまく溶け込むバランス感は見事で、控えめな要素から良好な結果を導き出すその手腕は、新世代シャブリという範疇にとどまることなく、今後の新たなワインのスタイルを予感させるものでもあります。
(2017/06)