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マエティエラ・ドミナムの4つのワインの中で、クアトロ・パゴスの「ヴィンテージ」に次ぐ位置にあるのがこの「レセルバ」。セパージュは、テンプラニーリョ、グラシアーノ、ガルナッチャ・ティンタ(グルナッシュ・ノワール)という3品種のブレンド。
10年の熟成が心地よい纏まり感を生み出し、結果として非常に心地よい世界観が広がります。それでも、本質的な葡萄力のおかげか、まだまだ溌剌でフレッシュな表情を兼ね備えている傾向にあるので、ポテンシャルは十分なものがありそうです(ピークはやや抜栓日寄りですが)。
構成要素としては、緻密で丸みのある豊かなボディを土台とし、そこに優しい香草や酸をバランスよく内包しています。オレンジ系のニュアンスが感じられるものの、太陽を感じる陽的な指向性ではなく、あくまでも酸を主体とした引き締まりのある指向性となっています。樽使いを含めた仕立て具合が非常に良好で、熟成によってポジティブな世界観へと昇華したような印象を受けますが、さすがに10年単位の熟成となると、現実的にはボトル毎に多少の差がある可能性も考えられるので、あまり過信しすぎるのは禁物かもしれません。とはいえ、同じクアトロ・パゴスでも、最上位のヴィンテージは1万円近くするので、その1/3程度の価格帯で入手可能だと考えると、そのお買い得感はかなり高いと言えそうです。
(2017/06)