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1830年にドメーヌを立ち上げたアルフォンス・グロが入手し、それ以降200年近い間、グロ家の単独所有畑(モノポール)として、その地位と名声を築き上げてきた屈指のプルミ・クリュがこの「クロ・デ・レア」。
2010年という優れたヴィンテージの恩恵を受けた、ボリューム感のある豊満で丸みのある体躯が非常に印象的です。絨毯のような柔らかいテクスチャに、コアにある仄かな果実の旨味等、良質なヴォーヌ・ロマネらしい質実な表情がしっかりと構築されている傾向にあります。その柔らかさ故に、一線を超えてしまった場合の儚さや脆さが脳裏を過ぎりますが、結果としては、最後までその一線を越えることなさそうなので、総じて安心して飲み進めることができそうです。
思った以上に酸が豊かな傾向にあり、温度が上がりすぎると酸にスポットが行きすぎるのが注意点で、良質なブルゴーニュ像を堪能できるというその本質からしても、世界観そのものの難易度は低いものの、実際にターゲットになるのは「ブルゴーニュを飲み慣れた層」になりそうです。その名声故に価格帯が高めですが、高騰を続ける近年のブルゴーニュの価格の変遷を鑑みると、相対的なコストパフォーマンスは思ったよりも良好なのかもしれません。
(2017/04)