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表土が少なく、非常に優れたテロワールを有していることもあり、マルサネにおける「グラン・クリュ」とも言われる区画がこの「クロ・ド・ジュー」。僅か0.2ha程度しかなく、さらには樹齢が約70年と非常に高いため、生産量も年間900本程度しか造られていません。
一口飲めばすぐにわかるほど、明らかに通常のマルサネとは充実感が異なる次元にあります。マルサネらしいタイトな硬さや軋みは、骨格を形成する質感として適度に感じられ、そこに軽めの酸が加わりハイトーンなポジションを埋めていますが、対をなすかのように、充実した果実の甘みと旨みがミッドからローレンジに位置し、程よい軽妙さで非常に心地よい表情を作り上げています。良い意味で想像を裏切る明快な魅力と、ちょうど良い飲み頃感、ポテンシャルピークの半歩手前ぐらいの熟成レベルが非常に心地よく(腐葉土っぽいニュアンスも出始めている)、この区画がグラン・クリュ相当と言われる所以が真摯に伝わってきます。
(2017/03)