- Good Quality -
「ジプシー」という意味の「ツィンガナ」。メルロー45%、カベルネ・ソーヴィニヨン20%、カベルネ・フラン20%、プティ・ヴェルド15%という4品種をブレンドした、ボルドースタイルのワインとなります。
現時点で既に一定の熟成を経た傾向にあり、4品種が繋ぎ目なく一体化しているのが印象的です。仄かに優しいグリーン系のハーブ風味は感じますが、それでも突出した要素は既になく、2009年の印象とは異なる世界観が広がります。果実要素の一体感とは異なり、収斂要素はまだかなり残っていて、イタリアらしい酸が明確にあることや、ボディは細身で華奢な傾向にあることなど、全体を通してややこぢんまりとしていますが、小ぶりながらもしっかりと凝縮しているので物足りないようなことはないと思います(ウスターソースのような野菜を煮詰めたニュアンスも)。
ボルドースタイルらしい構成力が控えめということもあり、ワイン単体で飲むにはやや不向きですが、その指向性を補完するように料理とうまくマリアージュさせれば、思いのほか高い満足感が得られる傾向にはあります。そういう意味では、明確に「飲むためのワイン」という現実解に基づいているとも言えるので、以前よりも価格がやや下がっているのはありがたいところでもあります。
(2017/02)