- Very Good Quality -
モンフォルテ・ダルバにある「マンゾーニ・ソプラーニ」の区画から収穫された葡萄で造られるのが、この「ヴィーニャ・ドラ・ロウル」です。
90年代後半のワインを彷彿とさせるような、艶やかでトロミある過熟果実の風味が感じられ、対をなすかのように、苦味と渇きを呼び込む強いタンニンが余韻にかけて広がっていきます。現時点で10年経過していますが、果実味そのものは少し熟成感が出始め、その熟度の高さと相まって妖艶さと仄かな退廃さが感じられるようになってきていますが、とにかくタンニンが強靭で、果実味との距離感が一向に縮まらない傾向にあります。ただし、現代的な造りが施されていることもあり、全体としてのバランス感覚は一定の水準をクリアしている傾向にはあります。
果実味に主眼を置くと、飲み頃にはしっかり入ってきている印象ではありますが、逆にタンニンに主眼を置くと、真の飲み頃はまだ遥か先と言った印象でもあります。いずれにせよ、今から飲んでも楽しめるだけでなく、バローロらしい「長寿」という個性もしっかりと兼ね備えているので、こういったバローロを求める層に対しては非常に高い訴求力を発揮してくれると思います(澱が異常に多いのでデキャンタージュが無難)。
(2016/12)