- Recommended -
ソノマを代表するカルトワインとして有名な「ピーター・マイケル・ワイナリー」で、2001年から2005年まで醸造を担ったルーク・モルレ。そんな彼が2006年に立ち上げたプライベート・ブランドがこの「モルレ・ファミリー・ヴィンヤーズ」。彼が手がけるワインの多くが、赤白問わずロバート・パーカーに90点台後半という非常に高い評価を受け、短期間で世界中にその名を轟かせています。
「マ・ドゥース」は、各地域で造られる3つのシャルドネの内のひとつで、ソノマ・カウンティに属する新しいAVAの「フォート・ロス・シーヴュー」のワインとなります(2011年に新設されたAVA)。冷涼な地域らしく、適切な範囲に引き締まった体躯と酸が印象的です。アタックにはやや古風な樽系要素が広がり、そこから細く伸びる酸、その後に緻密でハッキリとした塊感を持つ果実の甘みが順に伝わってきます。全体像としてはスッキリしているものの、コアの密度が高く、程よくオイリーな質感や、仄かなバター風味や乳系要素による補完のおかげで、一定水準以上の充足さが具に感じられます。ポテンシャル要素と素直な美味しさの両方をうまく纏っている印象ですが、表層的に感じる「純粋な美味しさ」以上の訴求力を兼ね備えているのが非常に興味深く、グラス1杯のみで行う短時間のテイスティングだとその本質を見誤る可能性がありそうです。時間をかけるほどに心身に浸透してくる不思議な訴求力が最大の魅力だとも言えるので、時間をかけてじっくりと向き合うことをお勧めします。
(2016/11)