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「デゴルジュマン・タルディフ」は、通常4年ほどでリリースされる通常のキュヴェを更に5年熟成させ、合計約9年の熟成を経てからリリースされる、特別な700番シリーズのキュヴェとなります。今回の734DTについては、澱と接触させた状態で7年間瓶内熟成させ、2014年10月にデゴルジュマン、その後更に1年間の瓶熟を経て2015年の秋にリリースされています。
734は2006年ヴィンテージがベースとなり(2005年が22%、2004年が5%)、セパージュはシャルドネ54%、ピノ・ムニエ26%、ピノ・ノワール20%。通常キュヴェの734はブティユで345,052本造られていますが、734DTは15,435本のみと極僅かです。2006年は春先と夏後半が冷涼でしたが、それ以外は温暖で、夏場も当初は酷暑で始まるなど、気温の変化に富むヴィンテージとなりました。結果として選果が重要となり、最終的には繊細なシャルドネと芳香豊かなピノが得られています。
試飲は実際のリリースから約5ヶ月前(デゴルジュ後の瓶熟中)の時点でしたが、そのままリリースされても何ら問題ないほど非常に魅力的かつ豊かな表情が広がり、そのポテンシャルの高さと素晴らしい世界観が存分に伝わってきます(シケさん曰く、リリース頃になるともう少し落ち着くとのこと)。何より香りが非常に豊かで、その軽やかな立ち振る舞いに反して、コアには明確かつ揺るぎのない意思が感じられます。
ドザージュは3.5g/lですが、面白いことに、実は734と全く同じドザージュ量となっています。ジャクソンでは、0〜5gほどの間で幾つかのサンプルを実際に用意し、実際にテイスティングしてベストなバランスのものを選択するという方式を取っていますが、リリースに5年もの間隔がある734と734DT、いずれも同じ3.5g/lになったというのが非常に興味深いところです(実は733と733DTも全く同じドザージュ量)。
熟成期間が長く生産本数も少ない特別なキュヴェなので、やや価格帯が高めな傾向にありますが、それでもそれに見合うだけの良質な内容なのに違いはないので、通常キュヴェを飲み慣れた人であれば是非次のステップとして体験してもらいたいところです。
※今回は現地ドメーヌでの試飲となっています
(2015/05)