- Good Quality -
セパージュはカベルネ・ソーヴィニヨン64%、メルロー33%、プティ・ヴェルド3%。伝統的なカロン・セギュールらしい屈強で剛直なタンニンがベースとなったスタイルで、現状で10年と言う月日が経過してはいるものの、タンニンベースで捉えるとまだ5〜10年程度は熟成させた方が無難な傾向にあります。
現代的なワインに慣れている人にとっては苦痛でしかないかもしれませんが、苦味を伴う強靭なタンニンが全体を支配し、純粋な果実味はほとんど感じられません。昔ながらのカロン・セギュールらしさが色濃い世界観ではありますが、屈強な反面、体躯サイズはほどほどで、熟度不足のような植物的な要素は全くなく、むしろベースとなる部分はいたって良好な造りとなっています。とはいえ、現状ですらまだ極僅かに熟成の兆しが見え始めた程度で(奥にある果実要素に仄かな柔らかさが出始めている)、終始強烈な苦味が先行することもあり、全体を通してやや飲みにくい傾向にあります(状態が良すぎて熟成が進んでいないような印象)。
純粋な「寿命」と言う意味でのポテンシャルはかなりある方ですが、それでも最終的に花開くかどうかは不透明なので、このヴィンテージに思い入れがある人以外はスルーしても特に問題はなさそうです。
(2016/11)