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トスカーナのパンツァーノ・イン・キャンティに位置する自然派生産者「レ・チンチョレ」。基本的にはサンジョヴェーゼ主体のワインを多く造っていますが、この「カマライオーネ」は唯一国際品種のブレンドで造られるアイテムで、セパージュはカベルネ・ソーヴィニヨン70%、シラー15%、メルロー15%となります。
チンチョレと言えば、一般的な自然派のイメージとは対極にあるような果実の凝縮感や甘みが非常に印象的ですが、カマライオーネも同様の傾向にあり、まさに過熟果実の持つ魅力を存分に楽しめるようなスタイルとなっています。同社のキャンティ・クラッシコとは異なり、その果実味の凝縮度や質感は「格」を感じる領域にまでしっかり昇華されている傾向にあり、ただ甘く濃厚なだけのワインとは一線を画しています(なんと、1本の樹から僅か500g程度と言う超低収量)。カベルネの堅牢さ、微細なタンニン、高アルコール由来の迫力(表記は15%)、仄かなスパイシーさと滑らかな質感、そしてイタリアらしい一本筋が通った酸と、各要素の豊富なエネルギーが高い次元で程よくバランスしています。
そのポテンシャルは高く、10年近い熟成を経てようやく初期の飲み頃に到達したような印象もあり、果実の持つ資質の仄かな熟れとは裏腹に、内包するエネルギーはまだまだ豊富でかなりの迫力を伴って飲み手に伝わります。力強い超熟ボルドー系が好みの人で、なおかつ酸に対してある程度許容できる人であれば、全体を通してかなり高い満足感が得られそうです。
(2016/07)