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「テヌータ・ディ・トリノーロ」のオーナーとしてお馴染みの「アンドレア・フランケッティ」が、シチリアという地で挑戦する新たなワイン、それが「パッソピッシャーロ」です。
パッソピッシャーロらしい旨味、たおやかさ、ピノ系に近い綺麗さや端正な佇まいは継承していますが、全体的に黒系資質がやや強めで、ボディのしっかりさや厚みなど、例年よりもパワー系の要素がより色濃くなっている傾向にあります。とはいえ、抜栓日は旨味系の地味深さが主体となっているので、パッソピッシャーロらしい独自性と魅力は十分発揮してくれると思います。ただ、翌日に持ち越すと、旨味系の表情やエレガントさにやや陰りが見られ、少し焦点が散漫になる傾向にはあります。
スタイルに変化があったのか、それともヴィンテージのスタイルなのか、詳細は定かではありませんが、それでもコアにはしっかりとした良質さを内包しているので、うまくポテンシャルを引き出すよう飲み手が注意していれば、それ相応の満足感は得られると思います。
(2016/05)