- Very Good Quality -
トゥア・リータとともに、スヴェレートを代表する生産者として牽引してきたのがこの「モンテペローゾ」。学者のファビオ・キャレロットが1998年にワイナリーを買収し、自身の手で初めて手がけたワインが、カベルネ・ソーヴィニヨン100%で造られるトップキュヴェの「ガッブロ」となります。
抜栓直後から、その圧倒的なエネルギーがストレートに伝わります。タンニンは非常に豊富ですが、その資質は緻密かつ微細で、体軀内部に緊密に行き渡り全体をしっかりと支えています。果実の成熟度は高いものの、ややタンニンにマスキングされている傾向にあり、イタリアらしいタイトな酸をはじめとした全体的なパッケージングによって、その凝縮感に反して特に重さを感じない仕上がりとなっています。
抜栓日の印象では、セパージュらしさは控えめで、スヴェレートという土地の持つパワーやエネルギーが前面に打ち出されている傾向にあります。翌日に持ち越すと、ようやく表情に落ち着きが垣間見られるようになり、カベルネらしい微かなハーブ系要素も感じられるようになりますが、葡萄が完熟しているということもあり、重厚感ある土台と果実の甘みが際立つ、非常に高品位な表情が広がります。抜栓日の圧倒感、翌日に持ち越した際の昇華された美味加減、パワーとエレガントが共存したバランス感覚、そのどれをとっても非常に際立つ存在感だと言えます。価格が高く、市場にあまり流通していない傾向にありますが、それに見合うだけの世界観はしっかりと有しているので、一度は試す価値ある1本だと言えます(まだまだ熟成可能で、将来の成長がさらに期待できそう)。
(2016/05)