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カレラのオーナー「ジョシュ・ジェンセン」の一番のお気に入りがこの「セレック・ヴィンヤード」と言われていますが、かなりの少量生産になっているので、他の単一クリュと比較するとやや入手が困難かもしれません。
セレック・ヴィンヤードの広さは4.8エーカーで、ピノ・ノワールの植樹は最も古く、ジェンセンと同じ1975年となっています。1982年~2009年までの28年間の平均収穫量は1.34トン/エーカー(20.2hl/ha)と非常に低収量で、2009年ヴィンテージはフルボトル換算で420ケースが生産されています。
旨味に溢れ、充実した熟度のある果実味を有しているものの、ベースとなるスタイルはやはりセレックと言えるもので、黒系果実と骨格を感じる堅牢性、それらが一体となったポテンシャル系要素の美点がはっきりと伝わってきます。まだ将来が期待できる状態ではありますが、それでも飲み頃には到達しているので、兼ね備えたエネルギーを感じつつも、素直に魅力(明快な美味しさ)を享受することができます。
生産量の少なさからくる希少性と高価格という二重苦が最大の欠点ではありますが、カレラを代表するトップキュヴェに相応しい内容なのは間違いないので、機会があれば一度は試してみてもらいたいところではあります。
(2016/05)