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ロワールの奇才とも言われ、その評価は世界トップクラスの白ワイン生産者として名を轟かせたディディエ・ダグノー。残念ながら2008年9月に飛行機事故で逝去し(享年52歳)、その早すぎる死が大きな話題となりましたが、現在は息子のルイ・ベンジャミン・ダグノーが後を継ぎ、その見事な手腕から、父を超えるほどの評価を得つつあります。2009年は事実上、ルイ・ベンジャミン・ダグノーが1から手がける最初のヴィンテージとなりますが、次世代に移行したことを意識してか、ラベルにもしっかりと彼の名前が刻まれています。
ダグノーのラインアップの中では最も手頃なレンジと言えるかもしれませんが、その表情はいたって明確で、価格に見合うだけの明確な個性と世界観を持っています。やや彩度の高い芳香性や特有の風味が気になりますが(酵母由来?)、体軀はミネラルのキリリとした引き締め感と、グレープフルーツ系のトーン、そして緻密で隅にまで行き渡る果実のエネルギーが印象的です。
単体での満足感もそれ相応のものが有りますが、さらに上の世界観を想像させる適度な立ち振る舞いなどから、ダグノーを知る最初の一歩としてはちょうど良いスタンスと言えるかもしれません。
(2016/03)