- Good Quality -
この2012年から心機一転、文字のみのシンプルなラベル、ヘビーボトル使用など、見た目からしてもはや同一ワインとは思えぬほどの変貌を遂げています。
やや生木っぽいテイストの樽風味が先行しますが、桃を感じる豊かな果実味(若干甘く感じられる側面も)、全体を引き締める酸とミネラルなど、明確なポテンシャル系サンセールであることがひしひしと伝わります。前年同様、相対的に果実味がしっかりと感じられることもあり、引き締まった厳しさよりも、ある種、親近感ある柔らかさの方が印象的ではあります。
口当たりが良いので、トップキュヴェのエドモンよりもこちらの方がより一般受けしそうな印象もありますが、この柔らかい資質に多少の頼りなさや儚さを感じる瞬間もあるので、純粋なテイスティング評価という側面においては、やはりエドモンに分がありそうです。とはいえ、十分なポテンシャルを有していることに違いはないので、各要素が馴染むまでもう少し熟成させれば、その高い評価に見合うようなより良い世界観が広がるかもしれません。
(2016/02)