- Good Quality -
コート・ド・ニュイに6つのグラン・クリュを所有する、フラジェ・エシェゾーに拠点を持つドメーヌがこの「コカール・ロワゾン・フルーロ」。
クロ・ド・ラ・ロシュは、モレ・サン・ドニ最北端に位置するグラン・クリュで、構成する7つのリュー・ディの個性や、隣接するジュヴレ・シャンベルタンにも共通するストラクチャーやミネラル感がベースとなります。
抜栓直後から彩度の高い香りや、薄めのバニラ系風味が漂い、体躯のフラットさや華奢さ、果実味の乏しさなどから、あまりポジティブな印象が伝わりません。トラディショナルでナチュラルな指向性が主体となっていますが、現状では醸造工程における要素の方が前面に出ているので、バランス面でやや難がある状態となっています。とはいえ、抜栓から3〜4日ほど経過させると、余計な化粧っ気が削ぎ落とされ、当初は見えなかった果実味が少しずつ感じられるようになるので、土台となる部分での造りにおいては、思ったよりも良質なものを内包しているのかもしれません。
(2016/01)