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造り手のソレッレ・パラッツィは、有機栽培を実践し、トスカーナの土着品種のみを栽培するという特徴があります(現在はパオロ・パラッツィの甥のグイドが指揮)。評価の高いヴィン・サントのセパージュは、トレッビアーノ75%、マルヴァジア・トスカーナ15%、コロンバーナ10%となります。 9月初旬に手摘みで収穫した後、約5ヶ月間陰干しすることで、約60%ほどの大きさまで葡萄が小さくなり、凝縮した葡萄を得ることで濃厚な甘みを持つワインに仕上げています。あまり聞きなれないDOCですが、スティルワインよりもヴィン・サントの方が良い結果を生み出している傾向にあるようです。
驚異的な濃縮度を誇るヴィン・サン・ジュストと比較すると、まだ現実的な水準ではありますが、それでも非常に濃い色調から想像できるように、実際にはかなりの濃厚さを兼ね備え、豊かな風味を持つ高濃度の甘みが心地よく伝わります。相対的に酸がしっかりしていることもあり、全体を通して纏まり感があり、水平方向に広がる余韻も印象的です。酒精強化ワインやブランデーにも共通するヴィン・サントらしい風味もね備えていますが、濃厚な甘みとのバランスが良いため、飲み手を選ぶような癖のある表情ではありません。ヴェロネッリで歳高評価となるスーペル・トレ・ステッレを獲得していることもあり、この辺りのバランス感覚はさすがといったところでしょうか。
価格帯を考えるとかなりお買い得感の高い極甘口ワインなので、機会があればぜひ積極的に試してもらいたいところです。
(2015/12)