- Good Quality -
若いうちから飲みやすいと言われるサヴィニー・レ・ボーヌですが、現状で10年経過しているにもかかわらず、堅牢性の高いタンニンによってまだまだ硬さを感じる傾向にあります。このボディの堅牢感をベースに考えると、まだ10年以上は熟成しそうなポテンシャル系の資質を色濃く感じますが、逆に果実味についてはすでに熟成感が感じられる傾向にあるので、これ以上長く熟成させるとバランス面での問題が生じるかもしれません。
果実系の要素はあくまでも体躯内部に一歩控えめに位置していることもあり、単体で飲むと訴求力はやや控えめですが、料理とともにうまくマリアージュさせれば、互いの不足要素をうまく補うことで非常に高い満足感を得ることができます。優れたヴィンテージ故に、各要素ごとのエネルギー総量にやや差が生じてしまっているような感じでもありますが、バランスに多少の難はあったとしても、全体として捉えた場合はやはり「さすがルロワ」と思わせるだけのものは有しているので、価格的なハードルや入手難といった問題さえクリアできれば、試してみる価値は大いにあると思います。
(2015/11)