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最初の一杯からわかるハッキリとした充実感、結束度、複雑味、その豊かな酒質とボリューム感がうまく全体を構成しています。果梗を感じる複雑味(植物的な青さはない)や、その表情を支えるボディなど、2010年というヴィンテージとの良さがそのまま結実しているような印象を受けます。
2009年よりも質実さにシフトしているので、柔らかさや口当たりの良さ(わかりやすい美味しさ)といった大衆向けの資質は減衰しているかもしれませんが、こういった「本質的な良質さ」はしっかり受け止めて評価するべきだと感じます。決して安くはなく、また、上のプルミエ・クリュとの価格差もあまりないので、アペラシオンだけをみるとコストパフォーマンス的に食指は動きにくいかもしれませんが、実際の中身は価格に見合った水準にあるので、機会があれば一度は試してみてもらいたいところではあります。
(2015/08)