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少し控えめなヴィンテージなのが逆に功を奏しているのか、全体的なパッケージング感、纏まり感、落ち着き感など、細部の丁寧な仕上げが程よく感じられる良質な世界観が広がります。トータルとしてはスッキリとした指向にあり、エネルギー総量もやや控えめですが、相対的な酸の低さや、蜜系の甘さと柑橘果実の甘さ、そしてミネラル系の硬質な苦味がフィニッシュに続く点など、万人受しやすい世界観をうまく捉えながらも、その表情はしっかりと明確なポイントを抑えている傾向にあります。
多少、淡々としたところもありますが、それでも無理なくその良さがジンワリ伝わるような、側にいてもらうことで落ち着きを覚えるような資質を持っているので、日々の生活の中のちょっとした安らぎ、そしてそこから次への渇望へと、程よい彩りをそつなく与えてくれそうな印象です。
(2015/07)