- Good Quality -
2009年にニュージーランドのワイパラ・ヴァレーでワイナリーを設立。オーナー兼醸造家の「小山⻯宇」による、残糖を残して仕上げるやや甘口のリースリングです。
0.4haのタソック・テラス・ヴィンヤードは、ワイパラ・ヴァレーの南西に位置し、氷河期堆積の砂利質土壌となっています。植樹は2004年。貴腐菌がつきやすいこともあり、毎年何割かの葡萄は貴腐の影響を受けています。また、残糖を残して発酵を止める造りのため、基本的にはやや甘口の仕上がりとなります。ヴィンテージによって甘さは異なりますが、2013年は残糖35g/lなので、残糖20g/lだった2012年と比較するとやや甘みが勝る傾向にあります(残糖1.1g/lのクスダのリースリングと非常に対照的)。
まだ多少若いこともあってか、抜栓日は各要素の方向性にばらつきがありますが、翌日にこち越すことで一気に纏まり感が増し表情が良くなります。貴腐ワインに相通じる濃縮感や甘みが感じられますが、全体的なバランス感が良好で、酸やアルコールもしっかり感じられるので、各要素が甘みに負けるようなことはありません。食中酒としての立ち位置を考えた場合は、使い所がやや難しい(工夫が必要)な印象でもありますが、ドイツ系の甘口リースリングに慣れている人であれば、無理なく自然に受け入れられると思います。
(2015/05)