- Good Quality -
1983年に日本企業のサントリーが買収したことで話題になったシャトー・ラグランジュです。2005年は、例外的に傑出した出来とされるグレートヴィンテージになります。
2005年のセパージュ比率は、カベルネ・ソーヴィニヨン46%、メルロー45%、プティ・ヴェルド9%。メルローの比率が高いことからもわかるように、カベルネ的な堅牢資質よりも、ぽってりとした柔らかさを感じる体躯が印象的です。タンニンはかなり多く土台としてのポテンシャルは長熟的系譜にありますが、驚くほど瑞々しくジューシーで、橙を感じるシトラス系の低重心の酸など、飲み手との距離感を縮める表情が主体となっています。体躯サイズは比較的コンパクトにまとまっていますが、適度な立体感を有し、なによりその柔らかい資質と初期の熟成感などにより、結果として、抜栓直後から素直に向き合うことができます。
タンニンレベルは高いので、長期熟成させることでそれ以外の要素が先に減衰しそうな印象があります。時間とともに、現在の表情とは指向性が変化そうなイメージでもありますが、それでも本質的な良質さは堅持してくれそうなので、価格的な問題がクリアできれば十二分に満足出来る世界観を披露してくれると思います。
(2015/04)