- Good Quality -
泡として有名なシャンパーニュの地にありながら、スティルワインの「コトー・シャンプノワ」の優れた造り手として名高いオリヴィエ・オリオ。シャンパーニュについても、ベースとなるワインの良質さが印象的ですが、そういった指向性がよりストレートに結実したのが、このコトー・シャンプノワと言えそうです。
主体となるはまさに「酸」。体躯は細く表情も固めで、漬物汁系の風味が仄かに漂う酸が主体となっていることもあり、正直なところあまり一般向けなスタイルではないと思います。とはいえ、その内部に位置するコアにまでたどり着くと、じゅんわりと滲み入る不思議な訴求力を持った旨み、そして優しい甘みが体内にスッと入ってくるので、表面上で感じられる味覚以上の良さを内包していると言えます。
あくまでも酸やミネラルに耐性があり、醸造工程における特異な風味に対する許容量が大きい人向けではありますが、今後のさらなる成長が期待される注目すべき造り手なので、市場で見かけることがあれば試すだけの価値はあると思います(生産本数は僅か1,404本)。
(2015/02)