- Good Quality -
僅か10aの畑で700本のみ造られる単一リュー・ディ「クロ・ジャカン」で知られる「ピエール・カロ」。このヴィーニュ・アンシエンヌは、アヴィーズにある0.4haのリュー・ディ「レ・ザヴァ」のシャルドネ(植樹は1952年)のみで造られるミレジメとなります。
基本的なスタイルは「酸化熟成による表情が主体」となっているので、ある種、ジャック・セロスなどのRMが好きな人にとっては受け入れやすいスタイルと言えそうです。ドザージュが10.8g/lとやや多めですが、不思議と甘さは控えめに感じ、全体像がしっかりと構築されていることもあってか、落ち着いた飲み口に寄与することはあっても、決して邪魔することはありません。むしろ、シャルドネらしいカッチリとした資質の方が印象的でもあります。この辺りの指向性は、下のレンジに位置するブラン・ド・ブランがより明確に甘みを感じる傾向にあることを鑑みると、アンシエンヌは葡萄そのもののエネルギーと表情を引き出していることによる差異と言えるのかもしれません。
デゴルジュマンの時期の影響もあるのか、現状では少し表情が硬く多少閉じた印象でもありますが、翌日に持ち越すことで一段と構成力が増し、本来のポテンシャルを含めその良質な世界観を披露してくれる傾向にあります。時間をかけて向き合うことで、ヴィエイユ・ヴィーニュらしい密度感による懐の深さがより鮮明になるので、焦ることなくじっくり楽しんでもらいたいところです。
(2015/02)