- Good Quality -
イタリアのボローニャを拠点とするバイクメーカー「ドゥカティ」の元エンジニアだった「マルコ・カゾラネッティ」が手掛けるスーパーマルケワインがこの「クルニ」。例え手間とコストがかかろうとも、己の信念と情熱に基づき徹底的にこだわった造りが行われています。
超絶エネルギーの塊といったイメージがあるクルニですが、今回はまた違う意味で想像を遥かに超える変貌ぶりを見せつけられました。以前試飲した2003年よりも更に陰な資質を想像していましたが、実際には拍子抜けするほどに体躯が柔らかく滑らかで、その中心には凝縮した甘い果実が居座る見事なほどのシンプルな世界観となっています。もはや甘口ワインなのではと思うほどの突き抜けた凝縮感と甘みを持つのが印象的で、その世界観はある種「酸化系要素のないバニュルス」と言ったほど(この甘さのおかげで高いアルコール感がかなり抑制されている)。
翌日以降に持ち越すことでこの甘みはかなり落ち着きますが、それでもクルニらしい超絶的なエネルギーが斜め上に突き進んでしまったような印象でもあるので、本質的な訴求力としてはやや肩透かし状態かもしれません。
(2015/02)