- Very Good Quality -
メルロー50%、サンジョヴェーゼ50%というブレンドで造られるマッツェイのスーパー・トスカーナ「シエピ」。メルローはフレンチオーク樽(225lt、新樽比率100%)で18ヶ月、サンジョヴェーゼはフレンチオーク樽(225lt、新樽比率70%)で16ヶ月熟成されます。生産本数は3万本。以前試飲した同じ2005年のカステッロ・ディ・フォンテルートリがやや閉じ気味だったこともあり、今回は更に5年以上の熟成を経てからの試飲としました。
1999年ヴィンテージと基本姿勢は同じで、サンジョヴェーゼらしいタイトさや硬質感、そしてハイトーンな酸と、メルローらしい豊満さや口当たりの良さの両方が同時にグラスの中で存在しています。ただし、2005年というヴィンテージのスタイルもあってか、カステッロ・ディ・フォンテルートリと同様に表情は硬く陰な資質が強く、なによりかなりタニックなので、表情が解れるまでにまだまだ多くの時間を必要としそうな印象があります。
抜栓日は各品種の特徴が打ち解けることなく五分五分で両立している傾向にありますが(使用するグラスによって指向性が変化)、翌日に持ち越すことで一体感が増し、品種らしさよりも「シエピ」そのもののアインデンティティが全面に出始めます。タンニンが全面に打ちでた長熟系の資質をベースとし、メルローらしい柔らかなハーブ系の風味が程よいアクセントとなった、より国際的なスタイルへと推移していくので、その本質としては明確な評価を得る世界観だと言えます。2005年はあまり万人受けする指向性ではありませんが(通好み系)、今飲むだけでなく、今後も軽く10年以上の時間をしっかり耐え抜くだけのエネルギーを兼ね備えているので、将来飲むためのワインを探している方にはお薦めです。
(2015/02)