- Good Quality -
中央葡萄酒が誇る三澤農場とミサワワイナリーによる特別限定醸造のフラグシップがこの「キュヴェ三澤 明野 甲州」。生産本数は7,300本。山梨県北杜市明野町にある高畝式の垣根栽培の畑から、苦心を重ねて結実させた次世代の息吹を感じさせる甲州となっています。なお、この2013年ヴィンテージは、デキャンター(Decanter World Wine Awards 2014)で金賞を獲得するという快挙を成し遂げ、一躍世界にその名を轟かせたワインでもあります。
最大の特徴は成熟度の高さで、甲州らしいクリーンな質感と軽快な佇まいを維持しながらも、グリらしいほの苦さと甲州らしからぬ緻密さと充足感を兼ね備え、まさに「ポテンシャルを感じる甲州」という言葉にピッタリな、今後の更なる可能性を感じる仕上がりだと言えます。低重心でボリューム感もありながら、飲みやすいアルコール度数(11.5%)、口当たりなのが秀逸で、甲州という品種の枠を広げるきっかけになってくれそうな印象でもあります。
ポテンシャルを感じさせる世界観ではありますが、決して飲み頃が先といったような系譜ではなく、あくまでも「ポテンシャルを感じる世界観そのものが基本的指向性」といったものなので、今飲んでも十二分にその存在感を堪能できると思います。そういった意味では、難点は内容ではなく「入手難」や「価格帯」といった副次的要素なので、この辺りの要因を難なくクリアできる人にとっては試す価値のある1本だと言えそうです。
(2015/01)