- Good Quality -
同じニュイ・サン・ジョルジュの「クロ・ド・ラルロ」の区画にある若木から造られるのが、この「ル・プティ・アルロ」となります。ラルロを代表する2つのモノポールのうち、男性的なクロ・デ・フォレ・サン・ジョルジュに対し、クロ・ド・ラルロは女性的と言われていますが、2010年という優良ヴィンテージの影響か、このプティ・アルロについては、クロ・デ・フォレ・サン・ジョルジュに近いガッシリとした酒質を有しているのが印象的です。
現時点ではまだ若さが感じられ、全体を通じて硬さを感じる傾向にあります。ただし、飲めないような硬さではなく、各要素の資質に明確な硬質感があるといったものなので、現状でもしっかりと時間をかければ十分楽しめます(理想としてはこの硬さが解れるまで数年は待ちたいところですが…)。ざっくりとした印象、及び方向性としては、直前に試飲したクロ・デ・フォレ・サン・ジョルジュを若く硬くし、そこから特有の旨味を差し引いた傾向にあり、ラルロらしい造りの良さそのものは十二分に感じることができるものの、さすがに上のクラスの持つ本質的訴求力については一歩譲るといった印象です。そういった意味ではプティ・プレと同様のスタンスなので、ある意味その住み分けは明確なものが確立されているとも言えます。とはいえ、仮にそのポテンシャルを極限まで引き出すことができれば、上のクラスの背中が見えるぐらいの非常に高い満足感が得られそうな印象でもあるので、ラルロを知るためのアイテムとしてはちょうど良い1本と言えるかもしれません。
(2015/01)