- Good Quality -
ノヴェッロとラ・モッラのエリアから造られる伝統的なバローロです。やや退廃的な傾向にあり、酸のトーンの鈍さやテクスチャのざわつき感が気になるところではありますが、インパクト勝負のスタイルではないので、まずは慌てず抜栓後にしっかりと時間を与えて欲しいところではあります。
その資質だけでなく、根本的に鮮度感が乏しいということもあり、抜栓当初の印象はあまりよくありませんが(セリオ・エ・バッティスタのワイン全般に共通するイメージ通り?)、抜栓後数時間経過すると思いもよらない変化が訪れます。当初の控えめなボリューム感からは打って変わって、コアに一定の熟度を感じる魅力ある甘味が現れ始め、その内側からエネルギーを放ち始めます。果実の魅力が感じられるようになると、バランスは一転良好になるので、表層におけるざわめくような資質もある程度軽減される傾向にあります。醸造技術やその過程においてやや気になる点はありますが、今後の進化でこの辺りの課題をクリアしていけば、価格帯に応じたバローロとして一定のコストパフォーマンスを発揮してくれそうな印象ではあります。
(2015/01)