- Very Good Quality -
バローロとラ・モッラにある平均樹齢25年の畑から造られるバローロです。バリックと大樽を併用することで、この地の持つ表情をうまく仕立てていることもあり、伝統的なスタイルをベースとしながらもうまく現代的エッセンスを取り入れ融合、そして昇華させています。
エレガントで精緻なテクスチャを兼ね備えていますが、主要素はやはり「タンニン」。とはいえ、厳格な外郭を有しながらも、そのコアは思いのほか滑らかで、少し熟成感が出始めた果実と酸による相乗効果によって緻密な立体感が眼前に広がります。微細で心地よい質感ながらも多量のタンニンを含有していることもあり、ネッビオーロという品種の持つ特性を心から愛するバローロ好きな人にお薦めしたくなるスタイルとなっています。タンニンや高アルコール(15%)が前面にあり、スパイシーで力強い表情から、基本的にはポテンシャル要素に秀でた長熟系と言えるかもしれませんが、それ以外の要素が先に熟れそうな印象もあるので(バランスは取れていますが)、熟成後の表情は今とはやや異なる系譜にあるかもしれません。
近年になって評価を上げている造り手ということもあってか、価格がいたって現実的なのも非常にありがたく、スタンダードクラスのバローロでこれだけの世界観を構築しているのであれば、「ブルナーテ」「ロッケ」「アルバレッラ」という3種類のクリュ・バローロはさらに要注目かもしれません。
(2015/01)