- Very Good Quality -
カ・デル・バイオの創業自体は2001年と近年で、醸造家には果実味の豊かさが印象的なカ・ヴィオラを招いていますが、元々は4世代、100年に渡って紡がれてきた歴史ある造り手(グラッソ家)ということもあってか、時代の流れに安易に迎合したかのような資質は皆無で、質実さを具に実感できる中道美を具現化したかのようなスタイルとなっています。
現状ではかなりタンニンが硬く、収斂要素を主体とした陰な資質が主体となった小難しい表情が強めですが、それでも難解というほどではなく、全体像が窺い知れる程度のパッケージングは確保されているので、その全容はそれなりに引き出せると思います(体躯そのものはしなやかでタイト)。コアにしっかりとした意思を感じる果実要素があるものの、その総量以上に厳しい側面を多分に含んでいるので、全体がまとまり打ち解けるにはさらなる時間が必要となりそうです。とはいえ、現時点でも決して飲めないような類ではなく、抜栓後2〜3時間、もしくは翌日に持ち越すぐらいのゆとりを持てば、そのエネルギーは十分実感できそうです。
その良質さとポテンシャルの高さは過不足なく伝わってくるものの、万人受するようなスタイルではなく、どちらかというと通好み系の方向性が色濃くなってはいます。とはいえ、セラーで長期間保管できる環境にある人であれば、積極的にお勧めしたい良きバルバレスコだとも言えます。
(2014/12)