- Good Quality -
伝統を重んじる造り手バルトロ・マスカレッロが手掛けるフレイザです。近年注目を集める品種「フレイザ」ですが、バルトロ・マスカレッロのフレイザはかなり興味深いスタイルとなっています。
基本的にはフレッシュで溌剌とした指向性で、シュワシュワとした泡を伴う微発泡に仕立てられています。土着品種による微発泡の赤ワインと聞くと、ランブルスコのような軽快なワインを想像するかもしれませんが、実際にはピエモンテらしい充実した体躯を持つボリューム感ある世界観となっています。
今回の1本はバックヴィンテージということもあり、基本的なフレッシュさを兼ね備えつつも、コアにある果実味そのものは熟成によって熟れ、溌剌さと退廃さの両方を同時に感じるかなり不思議な表情となっています。もう数年早く飲む方がベターな印象ですが、泡(二酸化炭素)の効果と果実そのもののボリュームのおかげで、現状でもまだ楽しめる状態ではあります。
(2014/09)