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エッジに僅かにオレンジ色が見え始め、仄かに熟成感が出始めています。非常によく熟した果実味と、相応のボリュームを持った樽風味が印象的で、全体像としてはややこぢんまりとしていて、バランスもそれほど良くはありませんが、それゆえに不思議な魅力を放っているとも言えます。各要素は比較的自由に様々な方向を向いていますが、それでも根幹は同じ位置にあり、ヴィンテージの特徴や造り手の仕立て具合などが結果としてうまく結実しているような印象でもあります。最終的には「多少の問題はあるものの、それでもこの魅力はポジティブに受け止めたい」という想いに収束します。
今回の1本の印象だと、純粋な点数評価が期待出来るような内容ではありませんが、それでも、どことなく90年代後半あたりの時代を代表するワインが持っていたような、ある種の突き抜けた魅力に近い雰囲気を持っているようでもあり、頭で考える以上に「感じる魅力」を兼ね備えているのは確かなので、価格的な問題さえクリア出来れば十分満足出来そうです。
(2014/09)