- Good Quality -
モレ・サン・ドニの中央に位置するプルミエ・クリュ「レ・ブランシャール」。周囲を「ラ・リオット」「レ・グルアンシェール」「ル・ヴィラージュ」「クロ・ボーレ」という4つのプルミエ・クリュに囲まれる立地となっています。優れたヴィンテージとなる2009年ですが、想像していた以上にポテンシャル系要素が強く、本領を発揮するにはもう少し時間を必要としそうな印象があります(現状では陰系の資質がやや強め)。
モレ・サン・ドニらしい野性味、木の実、土っぽさを感じさせながらも、全体的にはキュッと引き締まり硬質系の資質もしっかり感じられます。ボリュームを持ったスタイルで、やや抽出が強く収斂要素が先行することもあり、抜栓日は軋みから多少向き合い難さもありますが、時間とともに解れていくので、まずはゆとりを持ってゆっくり向き合うことをお勧めします。翌日に持ち越すと、コアにある果実味や旨味が表出するようになり、尻上がりに表情が昇華していく傾向にあります。若干、醸造段階で発生したネガティブ系のフレーバー(揮発系)が感じられるのが残念なところではありますが、まだギリギリ許容範囲な印象でもあるので、敏感な人(もしくはワインを飲み慣れていない人)でなければ、そこまで大きな問題にはならないと思います。
(2014/09)